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<<   作成日時 : 2008/03/21 23:22   >>

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旭川の合唱団Kに招待券が送られてきたのを戴いたので聴きに行ってきました。

東京混声合唱団第215回定期演奏会
場所:東京文化会館小ホール
指揮:田中信昭
ピアノ:中嶋香(a)、打楽器:多田恵子(b)

1.伊藤弘之(1963-)作曲、混声合唱とピアノのための「静かに、深く、そして強く」(a)
2.小鍛冶邦隆(1955-)作曲、銀色夏生の詩による「マドリガル?」(a)
3.高橋悠治(1938-)作曲、「夜、雨、寒さ」
4.間宮芳生(1929-)作曲、「合唱のためのコンポジション第17番」(b)

1ステージ、東混は30名強で登場。オーソドックスなSATB並びでの演奏。この曲には歌詞はなく、ひたすらヴォカリーズや息音などで、不協和音に満ちたサウンドを3曲に分けて演奏していた。不協和音といっても色々あると思うが、「H・B・A・F・D」等慣れていないと結構聴くのに耐えられないレヴェルの和音である。それこそ1960年代に、こぞって邦人作曲家が作曲していたスタイルに近い。
曲の分かりにくさとは対照的に、楽器としての東混の機能性は優れていて、かなり無茶な音が書かれているはずなのだが、(さすがに難なくとはいかなったが)、きちんと演奏している。どれくらい無茶かというとソプラノに「三点Es音」やp(強弱記号)で「三点Des音」を出させたり、とてもでないがアマチュアに演奏不可能な曲であることはよく分かった。でも、曲としては何が表現したいのかよく分からん。
演奏後に作曲家のプロフィールを見たら、オーケストラの作品を多く作っている人だということが分かった。かなり合唱としては無茶な音を要求している、と思ったが合点がいった。

2ステージ、今度はBTASの並び。この並びの意図は今もって不明。「マドリガル」というだけあってスピード感あふれる、さらにテンポの変化に富んだ作品。でも、旋律はどうしても現代音楽的で、特徴的だったのが2曲目ユニゾンなのだが、下のC音から二点B音くらいの幅広い上昇音形を一気に駆け上がるような、これも並みのアマチュアには難しいと感じられる曲であった。「現代音楽的」旋律といったが、この作曲家はフランスの現代作曲家メシアンに師事しており、その流れを組む作曲技法に思えた。氏はプログラム中でも、様々な作曲技法を使っていると述べていた。その試みは「マドリガル」としての自在性を鑑みてのものと考えられ、良い方向に働いていたと思う。ただせっかくの銀色夏生の詩の日本語は聞こえない。原因は聞こえるように作曲されていないからであろう。
この曲だったら、アマチュアトップレヴェルの団体ならば、なんとか演奏できるだろう難易度。まあ大変に苦労するだろうけど。

3ステージ、同じパートが隣り合わないようなスクランブル体系、椅子に座って歌われた。この曲は指揮なし。田中先生は客席で座って見てました。ブロックサインもなし。
プログラムには「演奏者の自発性によって作り上げるプロセスとしての音楽」とあったが、ソロ(音程があったり無かったり)と合唱の掛け合いによる、音楽物語という作品であった。高橋悠治氏にはこういった種類の合唱作品が多く、小生も数年前に「慈経(メッタスッタ)」という曲を歌ったことがあるが、五線譜ではなく「自由な音程で」歌うことになっている作品だった。「自由な音程で」と書かれていると、歌い手の側は「気持ちの良い音程」に収斂しようとするようである。きっと高橋氏もそのことを知っていて、氏の曲に特有な「癒しサウンド」が展開された。

4ステージ、コンポジション17番。SATB並びに戻る。前作16番は旭川でも演奏されたが、なんだか難しい曲であった(個人的な所感です)ので、正直あまり期待していなかったのだが、今回の17番は素晴らしい力作であった。8番くらいまでの才気あふれる間宮氏が甦ったかのようだ!今回の題材は青森と宮城。土着の音と西洋音楽のブレンドが巧みに行われており、非常に「充実した」サウンド、北東北の風景が浮かびあがった。1曲目は「残酷なわらべ歌」が題材で、アマチュア合唱団でも歌えそう。3曲目もアマチュア上位団体なら何とかなりそうな感じだった。
アンコールは間宮氏のコンポジション1番より。田中先生によれば、コンポジション1番が作曲されたのは今から50年前とのこと。1番は音楽史に残る名曲中の名曲だが、今回の17番も時代の流れに淘汰されずに残っていってほしい曲である。

全体を通して感じたことは、東混はサウンドを作るのはうまくアマチュアの追随を全く許さないが、旋律を歌う段になると非常にそっけない歌い方になるように思う。あえてあっさり歌っているのかも知れないが、そこに物足りなさを感じてしまうのは厳しすぎでしょうか?でも、いい演奏会だったと思いました。

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